←前のページへ次のページへ→

1.城北高速鉄道線とは?

 城北高速鉄道線とは、「地下鉄竹ノ塚・王子・池袋線建設促進期成同盟会」・足立区・北区・豊島区・東京都による「池袋・竹ノ塚線」構想および日本国有鉄道による「常磐開発線」計画をもとに筆者が構想した路線である。
 新宿駅を起点とし、東武線竹の塚駅、つくばエクスプレス線の八潮駅までにいたる全長20.3qの路線で、竹の塚駅から東武線館林、栃木まで、八潮駅からつくばエクスプレス線つくばまで相互直通運転を行う。規格はつくばエクスプレスの規格と同じものとし、基本的に地下、道路下に敷設する。また列車は20メートル車両10両編成が運行可能なものである。

 設置する駅は・・・

新宿、北新宿(仮称)、高田馬場、学習院(仮称)、池袋、西巣鴨、王子、豊島五丁目(仮称)、江北、大師前、竹の塚、保木間(仮称)、八潮

の計13駅で、このうち保木間は高架、八潮はつくばエクスプレス線八潮駅と共用、その他の駅は地下駅である。  駅の構造・連絡線は、次の通りである。


表.城北高速鉄道の駅・連絡線及び将来的な連絡路線

駅 名乗場規格設備乗換路線将来開業路線
新 宿島式2面4線折返設備※1上越新幹線
北新宿対向式2面2線
高田馬場対向式2面2線西武新宿線
東京メトロ東西線
学習院対向式2面2線JR山手線目白駅
池 袋島式2面4線折返設備・退避設備※2上越新幹線
西巣鴨対向式2面2線都営三田線
王 子島式1面2線東京メトロ南北線
豊島五丁目対向式2面2線
江 北対向式2面4線退避設備都営日暮里舎人ライナー
大師前島式1面2線東武大師線メトロセブン
竹の塚島式2面4線折返設備・退避設備・留置線2本東武伊勢崎線
北千住方面
保木間対向式2面2線
八 潮島式2面4線折返設備・退避設備・留置線4本つくばエクスプレス線北千住方面東京8号線
※1:JR山手線、埼京線、湘南新宿ライン、中央快速線、中央総武線各駅停車、小田急線、京王線、京王新線、都営新宿線、大江戸線、東京メトロ丸ノ内線、西武新宿線
※2:JR山手線、埼京線、湘南新宿ライン、東京メトロ丸ノ内線、有楽町線、副都心線、東武東上線、西武池袋線


 城北高速鉄道線は、都市鉄道利便増進法(詳しくは鉄道・運輸機構ホームページを参照)東武沿線、TX沿線および足立区からの池袋・新宿副都心方面への速達性向上事業として行うものなので、路線の新設だけではなく、直通先の東武線内などにおいても、130km/h運転ができる線路設備に改良するなどの工事も行うものである。



2.なぜ必要か。

 東武沿線、TX沿線から池袋・新宿方面へは距離の割に相当な時間がかかること、また足立区内からも、池袋から10q圏内にもかかわらず(下の地図)、時間と運賃がかかる。
 例えば竹の塚〜池袋間は最速でも33分(乗り換え時間を含む)、470円、乗り換え2回を要する。
 これは都内のターミナル駅から10q地点まで行くのにかかる時間と運賃の都内平均(下の表)を大幅に上回るものであり、早急に改善が必要とみられるためである。




現時点での、都心から10キロ圏の利便水準運賃及び利便水準時間




池袋〜竹ノ塚間の直線距離及び現行ルート


 このため西新井から池袋までほぼ一直線に結ぶバスを使って短絡する乗客が大勢いる同バス路線(王40)は昼間時でも5分に1本も運行されており、道路渋滞を招く原因にもなっている。バスによる道路渋滞の解消をするためにも早急に整備すべきである。


  

(左右とも)西新井〜豊島5丁目〜王子〜池袋間のバスの状況


 都交通局はバスの輸送人員を公表しないため、バス運転手のインタビューによる推計では利用者は1日2万人と思われる。そのため朝はこんなに間隔がつまる。
 また遠回りで何路線(何社線)にもまたがってのルートを通ることも多いのでその分運賃もかなり高くなる。池袋から竹の塚までわずか10キロで470円(千代田線を経由せず、常磐線経由にすればもっと安くなるが)という運賃は日本で一番運賃が高いと言われている東葉高速鉄道(10`490円)や北総鉄道(同、500円)と肩を並べるほどである。低所得者が多いと言われている足立区でこの運賃では住民も苦しいところではなかろうか。現実に50代でバイトで生活をしている人も多く、中には「交通費無支給だから、時給900円でも実質、時給750円しかもらえてないのと同じだ」と不満を漏らす人もいる。このようなことからも、足立区の生活レベル向上のためにも乗り換えなしで都心西側に出れて、その分運賃負担の少ない新線の建設は必要である。

これまでの経緯

 1970年ごろ国鉄が「通勤新幹線」構想を取りまとめる。このとき「常磐開発線」というものが構想された。この構想では新宿を起点とし、池袋、八潮付近を通過し、守谷、つくば、水戸へ至る路線として考えられていた。この構想は国鉄の財政危機に伴い中止されたが、その後始発駅を東京に変更した「第二常磐線」「常磐新線」として計画され、現在つくばエクスプレス線として営業中である。同線は秋葉原始発となっているが、近いうちにも東京まで延伸することが考えられている。
 平成7年に今度は足立区竹の塚付近の住民らによって「池袋・竹の塚線」が構想された。この路線は池袋を起点とし、王子を経由して竹の塚へ至る地下鉄新線として構想された。
 同年竹の塚駅前において住民らによる署名活動を展開。結果7万人もの署名が集まった(区民の9人に1人が署名したことになる。)これを受けて足立区は東京都に要望書を提出。東京都も審議をし、国土交通省運輸政策審議会に要望もした。しかし答申路線には載らなかった。これで一時新線誘致の活動は冷めてしまったものの、現在でも東京都としては今後の動向次第では建設するとしている他、住民らも「地下鉄竹ノ塚・王子・池袋線建設促進期成同盟会」を結成し、今でも池袋にある事務所で活動を続けている。この会では2006年末に池袋竹の塚線を東京オリンピック招致活動に便乗して池袋からさらに四ツ谷、東京、お台場経由で羽田空港まで延伸するよう東京都に要望したという。これが現在の状況である。



3.整備効果

時間短縮効果

〈乗継時分込み・ラッシュ時最速時分で表示〉
守谷→新宿/56分→36分(20分短縮)
館林→新宿/85分→70分(15分短縮)
栃木→新宿/91分→76分(15分短縮)
竹ノ塚→新宿/42分→12分(30分短縮)
江北→新宿/30分→15分(15分短縮)
新越谷→新宿/41分→21分(20分短縮)
春日部→新宿/55分→30分(25分短縮)
王子→新宿/20分→10分(10分短縮)
西巣鴨→新宿/18分→8分(10分短縮)




城北高速鉄道開業後での、都心から10キロ圏の利便水準運賃及び利便水準時間


 
- 41 -
次のページへ→